音盤日誌@金沢(仮)

レコード(LP/CD/DVD)を聴いて思ったことを書く日誌。

GIL EVANS

GIL EVANS & LEE KONITZ / ANTI-HEROES

ギル・エヴァンスとリー・コニッツのデュオ盤<Heroes>の続編。ウチにあるのは正続2枚をカップリングしたCDセット。内容的には同日の実況録音を2枚に分けた意図は特に無いと思われる。スティーヴ・レイシーとの<Paris Blues>では夜中に聴くべき一枚だ…

GIL EVANS / THERE COMES A TIME (Original Version, その2)

目玉は2曲目の表題曲「There Comes A Time」だが16分15秒と長い。薄利多売社会で皆忙しい現代人には少し無理があるかも。しかしこのアルバムの当時(1976年)にも忙しい人はいたはずだ。そこで気が付く。当時はLPの時代だ。LPならこの長尺曲の後に1分半…

GIL EVANS / THERE COMES A TIME (時の歩廊+α)

某コーヒー店にて。WALKMANで本作ギル・エヴァンスを(記事にする前にもう一度)聴いておこうと思って席に着いたんだが、店内BGMでいい感じのピアノ・トリオが鳴り出したので不粋なイヤホンなどは仕舞うことにした。誰のピアノかは判らず、曲名も思い出せな…

菊地雅章+ギル・エヴァンス・オーケストラ

ギル・エヴァンスではこれが一番好きだな。いつ聴いてもある種の高みへ誘い出してくれる音。しかし、これを本当にG・エヴァンスの作品としていいものか、菊地雅章氏のアルバムとして捉えたほうがよいのか。そのあたりに確信が持てないので「ギル・エヴァン…

GIL EVANS / LIVE IN DORTMUND 1976

ゲスト扱いのスター・プレイヤーを迎えてのライヴ盤ということでギル・エヴァンスとしては異色盤ということになる。というわけでG・エヴァンス入門者向けとはいえない。むしろローランド・カークの愛好者で未聴ならぜひ聴いて欲しい一枚だ。R・カークのま…

GIL EVANS with RMS / TAKE ME TO THE SUN

1983年録音ライヴ盤。同時期の決定盤に<At Sweet Basil>があるが、それより優先して聴くべき要素までは見当たらなくとも意外に肉薄の場面あり。メンバーは<At Sweet~>と一人も重複しない。これは何を意味するか。晩年のギル・オーケストラの音はメンバ…

MILES DAVIS / MORE MUSIC FROM THE LEGENDARY CARNEGIE HALL CONCERT

1961年録音、カーネギー・ホール盤の後編。前後編を併せた完全版CDは持っていないので単独の従来盤LPで聴く。前編でもそうなんだが本作のウリであるはずのギル・オーケストラとの共演テイクよりもマイルス・バンド単独のテイクのほうが明らかに聴きどこ…

MILES DAVIS AT CARNEGIE HALL

コンプリート・ヴァージョンの2枚組CDも出ているようだが、ウチのは古そうな国内盤LP。昔のライヴ録音だけに音もあまり良くはないと思いきや、そうならないところで本作はちょっと面白い。一聴して低品質のAMラジオのようなモノラル録音ではあるのだ…

GIL EVANS & LEE KONITZ / HEROES

音楽を聴いていて時間が止まる感覚になることがあるが、そのとき脳に具体的に何が起きているのか生理現象として説明が出来るものらしい(という趣旨の記述を何かで見かけた)。私の場合はギル・エヴァンスとリー・コニッツのこのデュオ盤を聴いていると時間…

GIL EVANS / PRIESTESS

1977年録音ライヴ盤。本作の少し前に出た第1・2集に渡る大作<Live At The Public Theater>の余勢を駆って出してきたような蔵出し未発表モノだったんだが、その内容は<Live At~>に勝るとも劣らない。なんせこっちにはデビッド・サンボーンもいればジョ…

GIL EVANS / THERE COMES A TIME (Original Version)

ギル・エヴァンスの最高傑作はこれだと思う。単に演奏内容での判定なら超強力盤は他にもある。<Preistess>しかり<Sweet Basil>しかり。しかしライヴ盤というものには自然物の趣があって人が手をかけた作品と見過ぎるには若干の抵抗もある。それではとス…

GIL EVANS / TOKYO CONCERT

収録当時のギタリストだった川崎燎氏によるライナーノーツがなかなか良い。ギル・エヴァンスを偲ぶエピソードで綴られている。G・エヴァンスという人は「オーディオ機器にはチンプンカンプンな人」で、自宅のプレイヤーか何かの調子が悪くなったら「Ryo、ち…

GIL EVANS & STEVE LACY / PARIS BLUES

デュオ演奏というと普通はドラムレスになる。ドラムが無くても別にいいじゃないかという心理がデュオで何かやろうという動機の一部にはあると思う。そういうとき、鉄壁のリズムと丁々発止のやりとりでドラマーの不在を感じさせないデュオを演じるのも勿論悪…