音盤日誌@金沢(仮)

レコード(LP/CD/DVD)を聴いて思ったことを書く日誌。

PAUL MOTIAN

CHARLIE HADEN / THE BALLAD OF THE FALLEN

リベレーション・ミュージック・オーケストラの音楽には哀愁あふれたダサい要素が満載だ。少なくともオシャレではない。ジャズを聴く動機の半分が他と一線を画すための自己満足であるとするなら、大衆文化たる日本の演歌にも(ときには軍歌調にですら)通ず…

BILL EVANS TRIO / PORTRAIT IN JAZZ

緊張感あるね。ジャケットの顔もちょっと怖いです。ビル・エバンスの怖さというのは天才なのに自分が天才だとあまり分かっていない人の怖さだと思う。悪気はなくても真正面に立たれたら凡人の側はたぶん少し怖いよね。その点、キース・ジャレットあたりは自…

KEITH JARRETT / THE MOURNING A STAR

「玉石混淆。玉を拾い集めるような聴き方しか出来ない」・・この時期のキース・ジャレットを簡潔に評してこう書いた人がいた。言い得て妙、実に的を射ている。筆者の趣旨はどちらかというと否定的ニュアンスだったと思うが、なるほどそんな聴き方もあるのか…

BILL EVANS / TRIO 64

「サンタが街にやってくる」一曲のためにクリスマス盤の趣あり、と思い出した機会を逃さず久しぶりに聴く。RiversideからVerveに移籍した後のアルバムだが、まだポール・モチアンがいることが心強い。何の責任も負わず単にCDを聴くだけの人間が何をいった…

Bill Frisell, Ron Carter, Paul Motian

トリオでギターがビル・フリゼール、ドラムがポール・モチアン、と来ればベーシストはチャーリー・ヘイデンあたりで自然だがなんとロン・カーター。なぜわざわざR・カーターか。一曲目が「Eighty-One」だからR・カーターなのか、R・カーターだから「Eight…

PAUL MOTIAN / ON BROADWAY, VOL. III

全5作から成るポール・モチアンのOn Broadwayシリーズ3作目。あとの4作は未聴。後回しにしているうちにP・モチアンは他界してしまった。痛恨のミス。音声再生装置としてのスピーカーから出て来る音は同じでも、いま聴いているレコードの音楽家がこの世の…

PAUL MOTIAN AND THE EBBB / PLAY MONK AND POWELL

エレクトリック・ビバップ・バンド(EBBB)のセロニアス・モンク&バド・パウエル集。1998年録音。ベースがスティーヴ・スワローなんだが、現スワロー・クインテットの素晴らしすぎるフロントマン二人、つまりクリス・チーク(ts)とスティーヴ・カーディナス(…

CHARLIE HADEN / THE MONTREAL TAPES, with GERI ALLEN and PAUL MOTIAN

Montreal Tapesシリーズは全7組の演奏を収録。各々の価値に優劣の差は無いが核になっているのはヘイデン(b)+モチアン(ds)の共通リズム隊で聴けるピアノ・トリオ3種であろう。このトリオにあえて順位を付けてみる。第一位/ポール・ブレイ、第二位/ジュリ…

CHARLIE HADEN / THE MONTREAL TAPES, with GONZALO RUBALCABA and PAUL MOTIAN

チャーリー・ヘイデンのMontreal Tapesシリーズ。ゴンザロ・ルバルカバのフィーチャー盤。ドラムはポール・モチアン。同じメンツで収録時期も近いG・ルバルカバのデビュー盤は主役のピアノが騒々しく結局好きになれなかったが、何がどう違っているのか本作…

PAUL BLEY, GARY PEACOCK, PAUL MOTIAN / NOT TWO, NOT ONE

ゲイリー・ピーコックは言わずと知れてキース・ジャレット・トリオの不動のベーシストでもあるわけだが、ポール・ブレイとのときのほうが嬉々として弾いているように聴こえますよ。キースとやるときは緊張するのかなぁ。。。などといかにもK・ジャレットの…

CHARLIE HADEN / THE MONTREAL TAPES, with PAUL BLEY and PAUL MOTIAN

ポール・ブレイとキース・ジャレットの違いは冗談の通じる人と通じない人の違いのような気がする。通じるほうがもちろんP・ブレイだ。スティーヴ・ キューンは冗談は通じるが本心をあまり見せてない人のような気がする。P・ブレイも本心は見えにくいがそれ…

PIETRO TONOLO / YOUR SONGS~THE MUSIC OF ELTON JOHN

サックス奏者ピエトロ・トノロのエルトン・ジョン曲集。ジャズ・フィールドの人達がポップスターの曲に手を出しても一部を除いてロクでもないものしか出来てないというのがこれまでの相場だったが、どうやら近年はそこから脱しつつある。本作しかりビル・フ…

KEITH JARRETT / SHADES

言ってしまえば四分音符の連続を弾いているだけのことなのに個性が出るのがウォーキング・ベース。分析などするまでもなくベーシストによって一聴して皆違う。ぐいぐい引っ張る人もいれば弾むようにどんどん自分が前に行く人もいる。チャーリー・ヘイデンの…

BILL EVANS TRIO / MOONBEAMS

ベースがスコット・ラファロからチャック・イスラエルズに変わっているが、誰であろうがこの時期のビル・エヴァンスの世界は実はそんな些細な事にイチイチ左右されていない。とはいうものの、この説で強気に押し切るにはC・イスラエルズにソロが回ったとき…

BILL EVANS TRIO / SUNDAY AT THE VILLAGE VANGUARD

リアルタイムの衝撃を受けたわけではないからスコット・ラファロが革命家だと言われてもピンと来ない。ポール・モチアンは後の個性をまだ発揮していない。従ってこの二人が顔を揃えたオリジナル・トリオといっても世評ほどありがたいものとも思っていないん…