音盤日誌@金沢(仮)

レコード(LP/CD/DVD)を聴いて思ったことを書く日誌。

STEVE SWALLOW

THOMAS CLAUSEN, STEVE SWALLOW / Morning... Dreaming...

トーマス・クラウゼンなる鍵盤奏者とスティーヴ・スワローのデュオ盤。新録音が世に出る枚数からしてスワロー氏との共演を欲する演奏家が数多く存在し、スワロー氏の方でも彼らをあまり拒まないと見える。結構なことだが、そういう演奏家達にたぶん共通する…

CHICK COREA and GARY BURTON / IN CONCERT, ZURICH, OCTOBER 28, 1979

従来盤CDではなくBOXセット<Crystal Silence: The ECM Recordings 1972–79>の内のDisc3と4。従来盤CDは元々LP2枚組だったところをCD化に際してディスク1枚に収めるために数曲がカットされたが、このBOXに収録されるにあたりオリジナルな2…

LARA IACOVINI / RIGHT TOGETHER

ララ・イアコヴィーニなる歌手のスティーヴ・スワロー大フィーチャー盤。といっても、この歌手もバンドもスタッフも別にスワロー御大のお出ましがなくても同じコンセプトでそれなりの作品に仕上げたのではないかという力量と雰囲気を感じさせる良好盤だ。L…

STEVE KUHN, STEVE SWALLOW, JOEY BARON / WISTERIA

年末を意識する時節になって来た。今年のベスト・アルバムは何だったか?。まぁそれはそれとして、本作は2012年の私的ベスト盤だったはずだ。スティーヴ・キューンがスティーブ・スワローを起用してピアノ・トリオの新作をしかもECMから出した。興奮。こ…

CARLA BLEY / CARLA'S CHRISTMAS CAROLS: with Steve Swallow and The Partyka Brass Quintet

“なるほど、その手があったか!”。カーラ・ブレイがクリスマス・アルバムを出すと知ったときの第一印象だ。一瞬の意表を突かれたが言われてみれば最高の適役。そして予想以上に上出来のアルバムが届いた。しかしさすがにクリスマス物を1年中そう何度も聴く…

GARY BURTON & STEPHANE GRAPPELI / PARIS ENCOUNTER

ステファン・グラッペリとの共演盤。当時バートン・バンドに加入して間もなく、力量に不足があったというギタリストは不在。ギタリスト氏には不幸だったが、そのおかげでスッキリとしたカルテット編成となったのは本作にとっては良かった。ゲストであり同時…

JOHN SCOFIELD TRIO / OUT LIKE A LIGHT

ギターっていう楽器はその気なら一人二役でも三役でも出来るんだが、それが仇でギタリストという人種は本来的にバランス感覚を少し欠いてると思った方がいいですね。ピアノも万能楽器だけど不思議と結果はどっちかというと逆になる。あくまで楽器のせいです…

GARY BURTON / TIMES SQUARE

頭数も気分のうちでゲイリー・バートンならクインテットよりもカルテットが良い。ピアノよりギターを入れることに異論はないだろう。「Vib+ G+ B+ Ds」これが基本形。だがたまにギターも邪魔に感じる。ならギターを廃してワンホーンにしよう。サックスだとバ…

TORE JOHANSEN feat. STEVE SWALLOW / I.S.

例によってスティーヴ・スワロー参加作は素通りできない、という理由以上の期待もせずに買ったトーレ・ヨハンセンだったんだが中身はまずまず良い。S・スワロー自身が主役のときにはもう演らないような気分のある初期の佳曲「Eiderdown」「Falling Grace」…

BILL EVANS / ライブ・イン・トーキョー

スティーヴ・スワローの愛すべき佳曲「Hullo, Bolinas」に昔の洋楽よろしく勝手な邦題を付けるとすると「薄幸美人」でどうだろうか。もろく、壊れやすく、近づいた分だけ遠ざかるが、こちらの心配をよそに向こうは向こうで何とかなっていく。暗い中にも一抹…

JAZZ TO THE WORLD (Various Artists)

ブルーノートのオムニ盤。基本的にこの類には興味が無いが、マイケル・フランクス&カーラ・ブレイ&スティーヴ・スワローでの「Let It Snow」一曲があった。が、期待とは少し違った。上の3人にギターとドラムも加わるバンド形式。プロデュースはギタリスト…

CARLA BLEY / SEXTET

1987年作。「Lawns」という曲はジワジワ広まって今ではジャズ界でちょっとしたスタンダードナンバーになっているようだが本作収録のそれがオリジナル。 その昔、クロスオーバー・ブームなる現象があって、それはかなりの部分でインスト・ギタリスト・ブーム…

日野元彦 / IT'S THERE

これはちょっと評価しにくい。強力な布陣が出す音はやはり強力なのだが、正直レッド・ツェッペリンの曲をジャズ調インストでやることの意義を当の(元彦氏は別としても)ミュージシャン達がどの程度に考えていたのか、そういった疑問をつい挟みながら聴いて…

MICHEL GODARD / MONTEVERDI ~ A TRACE OF GRACE

ジャケット中央の「MONTEVERDI」という文字列はポピュラー音楽の感覚ならアルバム・タイトルだと思うところだが作曲家の名前だった。こういうちょっとしたところにも馴染みの薄さがまず先に来るクラシック音楽の世界なんだが、スティーヴ・スワロー参加作と…

CARLA BLEY, STEVE SWALLOW / DUETS

飽きもせず何年も聴き続けているアルバムというものがあって好きとか嫌いとかいう感覚もすでに少し超えている。カーラ・ブレイとスティーヴ・スワローはデュオ・アルバムを3枚作っているが、この一作目はあとの二作に比べてS・スワローが前に出張って来な…

BILL GOODWIN / SOLAR ENERGY

ビル・グッドウィンのたぶん唯一のリーダー作。自曲の披露とか人脈の誇示とか、たぶんそういう欲が少ないドラマーがここ一番の一枚を出すとき、各々固定メンバーのカルテットとトリオを半々に配置しつつジョン・スコフィールドのみは全曲参加させるというア…

CARLA BLEY, STEVE SWALLOW / GO TOGETHER

カーラ・ブレイとスティーヴ・スワローのデュオ2作目。馴染みすぎて私的にはもうほとんど古典だ。しかし古典と呼びたくなるほどの定評価ということは実は日常的にはもうあまり聴いていなかったりもする。そういうアルバムを久しぶりに聴くにあたってはある…

THE CARLA BLEY BIG BAND / LOOKING FOR AMERICA

2002年録音作。というと「9.11」の翌年なんだが、このアルバム・タイトルはやはりあの事件以来の自国を憂いてのものだったのだろうか。カーラ・ブレイはアメリカをどう見失ったのか?。音楽に政治色を持ち込むことに別に反対はしない。が、そこに無関心でも…

GARY BURTON, PAT METHENY, STEVE SWALLOW, ANTONIO SANCHEZ / QUARTET LIVE

2006年の大事件だったゲイリー・バートンの復活カルテットなんだが、そのときのこのライヴ盤が出たのが2009年。すぐに出ていればメガトン級の新譜になっていたはずなのに3年待たされる間に鮮度も有り難みも大いに落ちてしまった“怨み盤”。けれどそれからさ…

PAUL MOTIAN AND THE EBBB / PLAY MONK AND POWELL

エレクトリック・ビバップ・バンド(EBBB)のセロニアス・モンク&バド・パウエル集。1998年録音。ベースがスティーヴ・スワローなんだが、現スワロー・クインテットの素晴らしすぎるフロントマン二人、つまりクリス・チーク(ts)とスティーヴ・カーディナス(…

THE SWALLOW QUINTET / INTO THE WOODWORK

スティーヴ・スワローという人はおよそキャリアに浮き沈みのない人だ。絶妙な輝度を保ちながら途切れることなく緩やかな上昇を続けている。そして本作でひとつの新たな段階に到達した。この進化が本作ひとつに終わらないならポール・モチアン、ゲイリー・バ…

THE CARLA BLEY BIG BAND / GOES TO CHURCH

LPからCDの片面長時間収録時代になったせいか、いつしか長尺組曲の収録がカーラ・ブレイのアルバムの常態となった。ライヴ演奏を前提としたと思われる編曲のままにアルバムにも収録される。しかし実演のその場で聴くならいいがCDで聴くこの長さはとき…

GARY BURTON & FRIENDS / SIX PACK

平易な選曲に分かりやすい編曲で芸術点は高くない。ゲイリー・バートンといえどもGRPではこんなサウンドになっちゃうんだな、という第一印象だったが、予想できたことなので失望するほどではない。逆にそのへんを割りきって聴ければ本作はよく出来ている。ス…

GARY BURTON QUINTET / DREAMS SO REAL ~ MUSIC OF CARLA BLEY

1975年録音のカーラ・ブレイ曲集。ツイン・ギター編成。調べてみるとこのときパット・メセニー21歳、ミック・グッドリック30歳。後からバンドに入って来たP・メセニーが師匠筋にもあたるらしいM・グッドリックをことごとく凌駕してしまっているようにも聴…

JOHN SCOFIELD & PAT METHENY / I CAN SEE YOUR HOUSE FROM HERE

ジョンスコとパット・メセニーの双頭盤にスティーヴ・スワローを起用するというアイディアは実に良かった。この二人の間に無理に割って入ろうとせず一方で睨みを効かせるなんてことが出来るベーシストは他にいない。すぐに思いつく事ではあっても実際にそう…

Carla Bley, Andy Shepperd, Steve Swallow / Trios

本作はカーラ・ブレイ自身が主宰するWATTレーベルではなくECMから初めてリリースされたことがちょっとした話題になったが、マンフレート・アイヒャーの選曲はファン目線の色合いも帯びて嬉しい。出し惜しみの無い選び方だ。これがもしWATT から出ていたら(…

CARLA BLEY / LIVE ! - 艶奏会

45分前後しかないLP1枚に何を収めるべきか?。本作でカーラ・ブレイは自らのユーモアの部分や難解な部分や曖昧な部分をばっさりとカットした。そのため必ずしも当時のカーラ・ブレイ・バンドの全貌を伝える内容には実はなっていないが、そこを補って余りあ…

GARY BURTON / SEVEN SONGS FOR QUARTET AND CHAMBER ORCHESTRA

スティーヴ・スワローは常に良い音色を出して来た人だ。抽象的な意味ではなく耳に現実に聞こえてくる音色のこと。その特に良かった参加作をいくつか挙げよと言われたなら本作はその中に入る。いい音色にも色々ある。本作の頃(1973年録音)、エレキ・ベース…

PIETRO TONOLO / YOUR SONGS~THE MUSIC OF ELTON JOHN

サックス奏者ピエトロ・トノロのエルトン・ジョン曲集。ジャズ・フィールドの人達がポップスターの曲に手を出しても一部を除いてロクでもないものしか出来てないというのがこれまでの相場だったが、どうやら近年はそこから脱しつつある。本作しかりビル・フ…