音盤日誌@金沢(仮)

レコード(LP/CD/DVD)を聴いて思ったことを書く日誌。

CHARLIE HADEN / THE MONTREAL TAPES, with JOE HENDERSON and AL FOSTER

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チャーリー・ヘイデン“Montreal Tapesシリーズ”のひとつ。いいなぁこれ。土曜日の午後にぴったりきたのはジャズ・フェスのライヴ録音だからじゃないかな。午後というよりもう夕方だが、まだしばらくは陽が高い。雨が降ったり止んだりだが今はうまい具合に晴れ間。ちょうどそんな感じの時刻と気象条件の屋外会場の録音だと勝手に決めつけながら聴いている。ホントのことは知らない。普通に屋内会場かもしれない。事実がどうだったかということはあまり重要ではない。今日はこのあと何も予定がないのがいい。ゆったり気分で聴ける。全曲聴いて今アタマからもう一回聴き始めたところ。このライヴ盤は録音がいいな。特にアル・フォスターのドラムがいい感じだ。ジョーヘンのサックスのレバー?キー?、正しい名称は知らないがそれらのカチャカチャした機械ノイズまで録音されていて雑音なのにそれがまた気持ちよい。楽音ではなくても現実に楽器からはそういう音が出る。そういうものだ。もっといいステレオ装置のでっかい音で聴きたくなった。オーディオ道楽には足を踏み入れかけて早々に止めたクチだが、そっちへ行っても悪くなかったかもな、とちょっと思った。

DEEP PURPLE / MACHINE HEAD

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この<MACHINE HEAD>で聴けるリッチー・ブラックモアのギターの音色は実に良い。他ではなかなか聴けない音。他人はもちろんリッチー自身に限っても<IN ROCK>にも<MADE IN JAPAN>にも<BURN>にも後のレインボーでもこの音は無い。誤解を恐れずに言えばストラトキャスターを用意すればジミヘンでもクラプトンでも「あぁそれっぽいね」ぐらいに真似した音はわりと出せそうな気がするが、どうだろう?、このリッチーの音はそう簡単に出るだろうか?。

NARA LEAO / MEUS SONHOS DOURADOS (あこがれ)

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既存の有名曲がボサノバや他のラテン調にリ・アレンジされて演奏されることがある。けっこうある。頻繁にある。あー、もう止めてくれ。一定数の成功例はある。最初にやり始めた人は偉いということもある。けれど多くは無意味な行為だ。さて、では本作はどうか。成功例とまで持ち上げる気もないがナラ・レオンがやるなら良いではないか。まずはこれでも聴いて、自分でもやる価値があるかどうか、一回ぐらい真剣に考えてはどうか。(注:ポルトガル語のアクセント記号は省略してます。)

 

*追記

ジャケット・アートが2種類あって上のがオリジナルなようなんだが、これって如何なものか?。良い出来映えだとはとても思えないので私は中古盤を探して下のを入手した。ナラ・レオンとは別人と思しき女性が写るこのデザインとて優れているとは思わないが上よりもなんぼかマシ。

MILES DAVIS / MY FUNNY VALENTINE: IN CONCERT

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カットされてたテナー・ソロを復活させましたとか、実はこんな曲もやってましたとか、実際の演奏順に並べ替えましたとか、その手の話がマイルスの2ndクインテットにもチラホラあるんだが、若い時ならいざ知らず歳くってくるとだんだん整理・理解するのが面倒になってくる。それでもライヴ盤ならやっぱり収録当日の演奏順ノーカットの状態で聴きたいのだが、そのせいでBOX物を買わされるならもう元のままで良しとしとくか。

CHARLES KYNARD / WA-TU-WA-ZUI (BEAUTIFUL PEOPLE)

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買おうと思って買ったアルバムではない。キャロル・ケイのベース目当てで入手したCD<Reelin' with The Feelin'>にいわゆる“ツー・イン・ワン“で本作が付いてきた。こういう音楽家の意向を反映していない抱き合わせ商法は嫌いだが単品CDの在庫が無かった。けれどこのチャールス某氏みたいに特に思い入れも無い人の場合は単純な経済価値で買い得感を憶えた。まぁこれが普通の感覚だろう。本作は内容も悪くなかった。人間、素直に生きたい。

CARLA BLEY / CARLA'S CHRISTMAS CAROLS: with Steve Swallow and The Partyka Brass Quintet

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“なるほど、その手があったか!”。カーラ・ブレイがクリスマス・アルバムを出すと知ったときの第一印象だ。一瞬の意表を突かれたが言われてみれば最高の適役。そして予想以上に上出来のアルバムが届いた。しかしさすがにクリスマス物を1年中そう何度も聴くわけにもいかず、だから本作はまだ十分に耳に馴染んではいない。が、そのぶん毎年少しずつさらに好きになっていく、という稀な楽しみ方ができる一枚。今年もそろそろ。

GARY BURTON & STEPHANE GRAPPELI / PARIS ENCOUNTER

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ステファン・グラッペリとの共演盤。当時バートン・バンドに加入して間もなく、力量に不足があったというギタリストは不在。ギタリスト氏には不幸だったが、そのおかげでスッキリとしたカルテット編成となったのは本作にとっては良かった。ゲストであり同時にこの場合の主役でもあるS・グラッペリの存在意義が明確となった。スタンダードが目立つ選曲も新鮮。もう一枚ぐらい作って欲しかったが物足りないぐらいで丁度いいのだろな。