BILL EVANS / TRIO 64
「サンタが街にやってくる」一曲のためにクリスマス盤の趣あり、と思い出した機会を逃さず久しぶりに聴く。RiversideからVerveに移籍した後のアルバムだが、まだポール・モチアンがいることが心強い。何の責任も負わず単にCDを聴くだけの人間が何をいったい心強いのかヘンな表現であるが他に適当な言い方も思い浮かばず。終盤近い「Dancing in The Dark」でゲイリー・ピーコックがほんの1分間ほどだけ弾くウォーキング・ベースが実に気持ち良し。
STEVE KUHN, STEVE SWALLOW, JOEY BARON / WISTERIA
年末を意識する時節になって来た。今年のベスト・アルバムは何だったか?。まぁそれはそれとして、本作は2012年の私的ベスト盤だったはずだ。スティーヴ・キューンがスティーブ・スワローを起用してピアノ・トリオの新作をしかもECMから出した。興奮。これを聴かずして何を聴くというのか。が、そう言いながらそれから今日まで本作を何回聴いただろうか。5回?。10回?。私的ベスト盤とはそんなに軽いものだったか?。
MILES DAVIS / MORE MUSIC FROM THE LEGENDARY CARNEGIE HALL CONCERT
1961年録音、カーネギー・ホール盤の後編。前後編を併せた完全版CDは持っていないので単独の従来盤LPで聴く。前編でもそうなんだが本作のウリであるはずのギル・オーケストラとの共演テイクよりもマイルス・バンド単独のテイクのほうが明らかに聴きどころ多し。同時期・同メンバーの著名盤<Blackhawk~>と比べても熱気で本作が相当に上回る。ギル・オーケストラのはカットしてレギュラー・バンドのテイクだけで一枚にして欲しい。
CHARLIE HADEN / THE MONTREAL TAPES, with JOE HENDERSON and AL FOSTER
チャーリー・ヘイデン“Montreal Tapesシリーズ”のひとつ。いいなぁこれ。土曜日の午後にぴったりきたのはジャズ・フェスのライヴ録音だからじゃないかな。午後というよりもう夕方だが、まだしばらくは陽が高い。雨が降ったり止んだりだが今はうまい具合に晴れ間。ちょうどそんな感じの時刻と気象条件の屋外会場の録音だと勝手に決めつけながら聴いている。ホントのことは知らない。普通に屋内会場かもしれない。事実がどうだったかということはあまり重要ではない。今日はこのあと何も予定がないのがいい。ゆったり気分で聴ける。全曲聴いて今アタマからもう一回聴き始めたところ。このライヴ盤は録音がいいな。特にアル・フォスターのドラムがいい感じだ。ジョーヘンのサックスのレバー?キー?、正しい名称は知らないがそれらのカチャカチャした機械ノイズまで録音されていて雑音なのにそれがまた気持ちよい。楽音ではなくても現実に楽器からはそういう音が出る。そういうものだ。もっといいステレオ装置のでっかい音で聴きたくなった。オーディオ道楽には足を踏み入れかけて早々に止めたクチだが、そっちへ行っても悪くなかったかもな、とちょっと思った。