音盤日誌@金沢(仮)

レコード(LP/CD/DVD)を聴いて思ったことを書く日誌。

BILL EVANS / THE SOLO SESSIONS VOL.2 (もしくはコンプBOX)

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ビル・エヴァンスは「Santa Claus Is Coming To Town」をソロ・ピアノ・バージョンでも残している。Riverside期の録音だが、いわゆるオリジナル・アルバムに収録された形では出ていないので盲点か。本盤はB・エヴァンスの死後だいぶ経ってから世に出た。<Vol. 1>と併せてもRiverside期のソロ・パフォーマンスの全ては網羅されずちょっと中途半端だ。いっそのこと<The Complete Riverside Recordings>(*写真下)を買うほうが手っ取り早い。CD12枚組。一般論でいけばありがた迷惑な側面も少なくないBOX物であるがB・エヴァンスは駄作が無い人なので問題なし、と思うが。

 

BILL EVANS / TRIO 64

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サンタが街にやってくる」一曲のためにクリスマス盤の趣あり、と思い出した機会を逃さず久しぶりに聴く。RiversideからVerveに移籍した後のアルバムだが、まだポール・モチアンがいることが心強い。何の責任も負わず単にCDを聴くだけの人間が何をいったい心強いのかヘンな表現であるが他に適当な言い方も思い浮かばず。終盤近い「Dancing in The Dark」でゲイリー・ピーコックがほんの1分間ほどだけ弾くウォーキング・ベースが実に気持ち良し。

ROLAND KIRK / KIRKATRON

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クリスマスが近い。この時節、大都会に居た頃は街にクリスマス曲があふれ過ぎて風情も何もなかった。ここ金沢はそこまで酷くもないと思うが、北陸新幹線開業以降の人の多さを避けて市街にあまり出なくなった金沢市民(=私)は案外に街中の実態をよく知らないかも。カーステレオをランダム再生にしてたら「The Christmas Song」が鳴った。これ誰だっけ?。ディスプレイを確認したらローランド・カーク。ほぉ~。クリスマス・アルバムではない。

STEVE KUHN, STEVE SWALLOW, JOEY BARON / WISTERIA

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年末を意識する時節になって来た。今年のベスト・アルバムは何だったか?。まぁそれはそれとして、本作は2012年の私的ベスト盤だったはずだ。スティーヴ・キューンがスティーブ・スワローを起用してピアノ・トリオの新作をしかもECMから出した。興奮。これを聴かずして何を聴くというのか。が、そう言いながらそれから今日まで本作を何回聴いただろうか。5回?。10回?。私的ベスト盤とはそんなに軽いものだったか?。

GIL EVANS / LIVE IN DORTMUND 1976

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ゲスト扱いのスター・プレイヤーを迎えてのライヴ盤ということでギル・エヴァンスとしては異色盤ということになる。というわけでG・エヴァンス入門者向けとはいえない。むしろローランド・カークの愛好者で未聴ならぜひ聴いて欲しい一枚だ。R・カークのまだ入門者でしかない私の言では説得力は無いけれど、2曲目でR・カークが出てきた途端にあのギル・オーケストラのすべての色が塗り替わる様は圧巻だ。凄い人だったんだな。

GIL EVANS with RMS / TAKE ME TO THE SUN

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1983年録音ライヴ盤。同時期の決定盤に<At Sweet Basil>があるが、それより優先して聴くべき要素までは見当たらなくとも意外に肉薄の場面あり。メンバーは<At Sweet~>と一人も重複しない。これは何を意味するか。晩年のギル・オーケストラの音はメンバー各々の個人ワザで自然発生的に形成されたものあって、ギル・エヴァンスディレクションは過去の場合ほど効いてはいないとも思われたが、必ずしもそうではなく最後まで健在だったのか。

MILES DAVIS / MORE MUSIC FROM THE LEGENDARY CARNEGIE HALL CONCERT

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1961年録音、カーネギー・ホール盤の後編。前後編を併せた完全版CDは持っていないので単独の従来盤LPで聴く。前編でもそうなんだが本作のウリであるはずのギル・オーケストラとの共演テイクよりもマイルス・バンド単独のテイクのほうが明らかに聴きどころ多し。同時期・同メンバーの著名盤<Blackhawk~>と比べても熱気で本作が相当に上回る。ギル・オーケストラのはカットしてレギュラー・バンドのテイクだけで一枚にして欲しい。